Dress Code
東中野、自動販売機の扉が開いている。補充の男が、缶を列に差し込んでいく。
グレーの横縞、ポリエステルのシャツ。
左の脇腹の少し後ろに、紫色の染みが四つ。10円硬貨ほどの大きさが三つ、細長いのが一つ。模様のようにへばり付いている。
細い指はダンボールの隙間に滑り込む。全身を使って運ぶ。
服は、名乗るために着て、名乗らないために着る。
松濤、渋谷立体パーキング。ドレスコードを守った三人連れ。子供も蝶ネクタイを締めている。
黒の蝶ネクタイ。ズボンに沿わせた両腕は、指先まで揃っている。