ホアキンおじさんと
物販で同じポスターを買った男と、丸める手を貸し合った。片方が端を押さえ、片方が巻く。外は豪雨、濡れないようにカバーを被せる。
聞くと、カリフォルニアに留学していた頃、ロングビーチの劇場でStop Making Senseを観たという。四十年間観ている、と言った。
大阪のフェスにも行くつもりだったらしい。親に墓参りの車を出してくれと言われて諦めたそうだ。同じ車で墓へ向かう。
彼は四階席に座り、こちらは一階で立っていた。ある時、Byrneはこう言った。
愛することは抵抗である
四階と一階で、同じ言葉が同じ大きさで届いたかどうかは分からない。ポスターを丸める彼の姿は、ホアキン・フェニックスに似ていた。