obatahi

No. 092 2026.10.30

思い思い

この国は、住む部屋の床の七分の一を、窓にさせる。

イングランドは、かつて窓の数に税をかけた。

家が並んでいる。建売だろう。細さが、まるで一緒だ。色のトーンも揃っている。

窓だけが、思い思いだ。大きな正方形が一つの家。小さな正方形が六つの家。細長いのが、縦に三つの家。

夏、三階の風呂で窓を開けると、必ず閉めに来るおじさんがいた。

同じ夏の夜、十九時を過ぎたある瞬間から、部屋の窓に羽アリがびっしりと付いた。近くの街灯で、湧いていた。

窓は、閉めてあった。

nehan